金属になつ印した印影が耐酸性、耐油性に適したインキ
金属部品になつ印した印影に対し、耐酸性や耐油性に適したインキに関する依頼があり、調査を行いました。
通常、金属には【STG】、【STSG】のほか、【STM】、【M-500】などを勧めていますが、今回は、耐酸性の要望があるため、顔料系インキを選定し調査しました。
・なつ印対象物:金属部品
■調査インキ
【STSG】(黒)、【M-505】(黒)、【M-195】(黒)で調査しました。
■試験項目
①印影鮮明性(20℃×65%)
各インキをスタンプ台に塗布し、ゴム印でなつ印し、印影の状態を目視判定しました。
また、なつ印表面は、(1)金属素地(2)油付着面 の2種類に対してなつ印しました。
②印影密着性(20℃×65%)
①でなつ印したものに対し、油を滴下して30分放置後、印影に対して摩擦を加え、印影の変化を目視判定しました。(油については、鉱物油系潤滑油を使用しました)
試験結果は以下のとおり
■結論
これらの結果より、
・上記試験条件において、各インキともなつ印適性があると判断できます。
・金属素地及び、油付着面でも鮮明な印影が得られ、印影を30分間、油に浸漬した後の摩擦(密着性)に対しても、耐性がありました。
以上の結果から、どのインキでも適していましたが、汎用的なインキである【STSG】(黒)をお勧めします。
また、【STSG】(黒)につきましては、耐酸性において、1%塩酸水溶液への30分間の浸漬に対して耐性のあることが確認されています。
これらの評価は、なつ印対象物のグレード・表面状態・使用条件により、異なる場合がありますので必ず試験の上、ご使用ください。
※本ページに掲載している情報は弊社が独自に調査・試験を行った結果です。
なつ印の対象物のグレード、表面状態、使用条件により性能が異なる場合があり、
全ての環境で同一の結果を保証するものではありません。